J1昇格争いと共に、サッカーファンの心を熱くするのが、個人タイトルの行方。中でも、ゴールという最も分かりやすい形でチームを勝利に導く「得点王」の称号を誰が手にするのかは、毎年の大きな注目ポイントですよね。
こんにちは!元FWで、高校時代にはキャプテンも務めた僕が、今季のJ2得点王争いをリードする注目ストライカーたちをピックアップし、そのプレースタイルと、ゴールを量産できる「決定力の秘訣」について、徹底的に分析・解説します!
2025シーズン後半戦、ゴールネットを揺らすのはこの男たちだ!~現在の得点王ランキング~
2025シーズンも後半戦に突入し、得点王争いの勢力図も徐々に見えてきました。今、J2の舞台で最もゴールに近い場所にいるのは、一体どんな選手たちなのでしょうか。まずは、現在のランキングを確認してみましょう。
現在のJ2得点ランキングをチェック!
2025年8月現在、J2リーグの得点ランキング上位は、まさに多士済々といった顔ぶれです。トップを走るのはV・ファーレン長崎のマテウス ジェズス選手。それを水戸ホーリーホックの渡邉新太選手らが追いかける、非常に熾烈な争いが繰り広げられています。ベテランの外国籍選手から、経験豊富な日本人FW、そして若手の有望株まで、様々なタイプのストライカーが名を連ねていますね。
今季の得点王争いの特徴とは?~熟練の技か、スピードか、個の打開力か~
今季の得点王争いの面白さは、上位にいる選手たちのプレースタイルが全く異なる点にあると僕は考えています。長崎のマテウス選手のように、中盤からのパワフルなプレーでゴールを陥れる選手がいるかと思えば、水戸の渡邉選手のように、ゴール前での嗅覚と巧みさで得点を重ねる選手もいます。
また、神戸から加入した小松蓮選手や、今治のマルクス ヴィニシウス選手といった新戦力の活躍も目立ちます。どのスタイルが最終的に得点王の称号を手にするのか。それぞれのストライカーが持つ「決定力の秘訣」を読み解くことで、その行方が見えてくるかもしれません。
【元FWキャプテンが徹底分析】注目ストライカー3人の「決定力の秘訣」
さて、ここからは得点王争いをリードする注目のストライカーたちの中から、特にタイプの異なる3選手をピックアップし、僕自身の元FWとしての経験と、元キャプテンとしての戦術的な視点を交えながら、彼らがなぜゴールを量産できるのか、その「決定力の秘訣」に深く迫っていきたいと思います。
タイプ1:「パワーとテクニック」で中盤を支配する攻撃的MF(V・ファーレン長崎:マテウス ジェズス選手)
今季の得点王争いの先頭を走るのが、V・ファーレン長崎のマテウス ジェズス選手です。彼は厳密にはFWではなく、中盤の攻撃的なポジションを主戦場としていますが、その得点力はまさにストライカーそのもの。彼の存在が、長崎の攻撃をJ2屈指のレベルに引き上げています。
マテウス選手のプレースタイル分析:なぜ彼はMFながら得点を量産できるのか?
彼の最大の武器は、ブラジル人選手らしい卓越したボールテクニックと、それを全く損なわない強靭なフィジカルです。中盤でボールを持てば、力強いドリブルで相手DFをなぎ倒すようにゴールへ迫ることができます。
そして何より、ペナルティエリア外からでもゴールを狙える、左足の強烈かつ正確なミドルシュート。相手からすれば、少しでもスペースを与えてしまうと、どこからでもゴールを奪われかねない、非常に厄介な選手です。
元FWの視点:マテウス選手を活かすチームの戦術と、彼の自由な役割
長崎の3-4-2-1システムにおいて、彼は2シャドーの一角として、非常に自由な役割を与えられています。守備の負担が比較的少ない分、彼のエネルギーは常にゴールへ向かうことに注がれています。
僕がもしキャプテンだったら、彼には「自由にプレーしていい。ただし、必ずシュートで終わってくれ」と伝えますね。彼のような選手がいると、チームの攻撃に予測不能なアクセントが加わり、相手の守備組織を混乱させることができます。
【決定力の秘訣】「ボールを奪われないキープ力」と「シュートへの強い意志」
彼の決定力の秘訣は、まず第一に、相手に囲まれても簡単にはボールを失わない圧倒的なボールキープ力にあります。このキープ力があるからこそ、厳しいプレッシャーの中でも、シュートを打つためのわずかな時間と空間を自分で作り出すことができる。
そしてもう一つは、常にゴールを狙うという「シュートへの強い意志」です。パスという選択肢も持ちながら、最終的には自分でゴールを奪うという強いメンタリティが、彼の得点量産に繋がっているのでしょう。
タイプ2:「ゴールへの嗅覚」で勝負する生粋のストライカー(水戸ホーリーホック:渡邉 新太選手)
マテウス選手とは対照的に、ゴール前での仕事に特化し、抜群の得点感覚でゴールを量産しているのが、水戸ホーリーホックの渡邉新太選手です。派手さはないかもしれませんが、FWとして最も重要な「ゴールを決める」という仕事を、確実にこなすことができる生粋のストライカーです。
渡邉新太選手のプレースタイル分析:なぜ彼の元にボールはこぼれてくるのか?
彼のプレーを見ていると、「なぜかいつも、良い場所にいるな」と感じることが多いのではないでしょうか。それは決して偶然ではありません。常に相手DFラインとの駆け引きを繰り返し、ゴール前にこぼれてきそうなボールを予測し、誰よりも早くそのスペースに走り込んでいるからです。この「ゴールへの嗅覚」とでも言うべきポジショニングの巧みさが、彼の最大の武器です。
元FWの視点:渡邉選手のようなストライカーと味方との「信頼関係」
僕がFWだった頃、彼のように常にゴールの可能性を信じて動き出してくれる選手は、パサーにとって最高のターゲットでした。「あそこに走ってくれているはずだ」という信頼があるからこそ、僕たち中盤の選手は、思い切ったパスを出すことができます。彼の得点は、彼一人の力だけでなく、彼の動きを信じてパスを供給する、チームメイトとの「信頼関係」の賜物でもあるのです。
【決定力の秘訣】「ポジショニングの質」と「ワンタッチゴーラー」としての技術
彼の決定力の秘訣は、ボールを持っていない時の動き、つまりオフザボールの動きの質の高さにあります。そして、ゴール前で訪れたわずかなチャンスを、少ないタッチ数で確実にゴールに結びつける技術。
特に、ダイレクトやワントラップからのシュートが非常に上手い。この「ワンタッチゴーラー」としての能力が、彼をJ2屈指のストライカーたらしめている要因だと、僕は分析しています。
タイプ3:「スピードと献身性」でチームを牽引するモダンFW(ジェフユナイテッド市原・千葉:小森 飛絢選手)
最後にご紹介するのは、得点力だけでなく、そのスピードと献身的な守備でもチームに大きく貢献する、まさに現代的なFW、ジェフユナイテッド市原・千葉の小森飛絢選手です。彼もまた、得点王争いに名を連ねる有力な候補の一人です。
小森飛絢選手のプレースタイル分析:なぜ彼は攻守に渡って活躍できるのか?
彼の最大の魅力は、なんと言ってもそのスピードです。一瞬の動き出しで相手DFの裏へ抜け出し、ゴールを陥れることができます。しかし、彼の価値はそれだけではありません。ボールを失えば、誰よりも早く相手にプレッシャーをかけ、守備の第一線として戦うことができる。この攻守にわたるハードワークと献身性が、彼のプレースタイルの最大の特徴です。
元キャプテンの視点:小森選手のようなFWがチームに与える「勇気」
僕がキャプテンだったら、小森選手のようなFWは、チームに絶対に欲しい存在ですね。FWが最前線からあれだけ必死にボールを追いかけてくれると、後ろの選手たちも「自分たちもサボれないぞ」と、自然と士気が高まります。
彼のプレーは、ゴールという結果だけでなく、チーム全体に「戦う姿勢」という勇気を与えているんです。こうしたチームの士気を高めるプレーは、キャプテンとして非常に高く評価します。
【決定力の秘訣】「スピードに乗ったシュート技術」と「攻守の切り替えの速さ」
彼の決定力の秘訣は、トップスピードの中でもボールを正確にコントロールし、シュートを打てる技術の高さにあります。そして、守備でボールを奪った瞬間に、すぐに攻撃のスイッチを入れられる「切り替えの速さ」。自らボールを奪い、そのままショートカウンターでゴールを決めてしまう。この攻守一体となったプレースタイルこそが、彼の決定力の源泉だと僕は見ています。
今後の得点王争いの行方とダークホースの存在
ここまでタイプの異なる3人のストライカーを分析してきましたが、シーズンはまだ長いです。今後の得点王争いは、どのように展開していくのでしょうか。
夏の戦いと、各ストライカーのコンディションの鍵
これからの季節、Jリーグは過酷な夏場の連戦に突入します。各ストライカーが、この厳しい時期にコンディションを維持できるかどうかが、得点王争いの大きな鍵を握ります。
また、シーズンが進むにつれて相手チームからのマークも当然厳しくなってくるでしょう。それぞれのストライカーが、自身の弱点をどう克服し、対策を練ってくる相手をどう上回っていくのかに注目です。
元キャプテンが注目する!得点王争いに割って入る可能性のあるダークホース選手
現在ランキング上位の選手たちだけでなく、僕はヴィッセル神戸から加入した小松蓮選手や、熊本の塩浜遼選手といった選手の存在も気になっています。
彼らは、コンスタントに結果を出し続けており、チームの調子が上がってくれば、一気にゴールを量産し、得点王争いに割って入ってくる可能性を秘めた、まさに「ダークホース」と言える存在ではないでしょうか。
まとめ – ストライカーの個性に着目して、J2観戦をもっと楽しもう!
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。データと僕なりの視点で、今季のJ2リーグの得点王争いについて読み解いてきました。
おさらい:注目ストライカー3人の決定力の秘訣
最後に、今回ご紹介した3人のストライカーの「決定力の秘訣」を、もう一度おさらいしましょう。
- マテウス ジェズス選手: 「ボールを奪われないキープ力」と「シュートへの強い意志」
- 渡邉 新太選手: 「ポジショニングの質」と「ワンタッチゴーラー」としての技術
- 小森 飛絢選手: 「スピードに乗ったシュート技術」と「攻守の切り替えの速さ」
ストライカーの個性に着目して、J2観戦をもっと楽しもう!
普段何気なく見ているサッカーの試合も、こうしたストライカー一人ひとりのプレースタイルや、ゴールを奪うための「個性」に着目して観戦すると、面白さが何倍にも膨れ上がります。
「今日の試合は、相手DFがマテウス選手のキープ力をどう抑えるかが見ものだな」そんな風に考えながら、J1昇格をかけた熱いJ2リーグの戦いを、これからも一緒に楽しんでいきましょう!